CPUとケースの冷却:PCを安定稼働させるための設計

PCの冷却に関しては、従来のシンプルな構成から大幅に進化してきている。特にゲーミング用途のケースでは、3つ以上のファンが搭載されているのが一般的だ。

パーツの性能が高性能化するに伴い、それらが発生する熱量も増大している。そのため、ケースの外部にその熱を排出することが、コンピューターの適切な動作を維持する上で重要な課題となる。

単一の排気ファンとCPUの標準クーラーでは、高負荷時の冷却に限界があるため、複数のファンを装備したケースが増えてきた。これで、ケースの内部の温度上昇を効果的に抑制し、安定したPCの動作を実現できるようになった。

ユーザーはパーツの消費電力や発熱特性を考慮し、適切な冷却設計を施したケースを選択できれば、高性能コンピューターを長期的に安定して稼働させることが可能になるだろう。

目次

冷却をアップグレード

多くのPCケースには少なくとも2つのファンが備わっており、CPUには標準のクーラーが付属しているが、さらなる冷却を実現するためには、これらのパーツをアップグレードする必要がある。

標準のCPUクーラーは、選択したCPUと想定される負荷量によってその性能が異なる。一般的に、CPUのチップ性能が高いほど、より多くの熱を発生する傾向にある。この過剰な熱が排出されない場合、プロセッサの寿命を短縮しかねない。

市販のCPUクーラーを購入すると、標準品と比べて10〜15度の温度低下が見込めるため、余り大きな金額をかけずにCPUの冷却性能を向上させられる。

コンピューターの性能と使用目的に合わせて、ケースのファンおよびCPUクーラーのアップグレードを考えてみてほしい。

空冷CPUクーラー

空冷CPUクーラーは、長年PCで一般的に使用されてきた冷却方式である。この方式は、ファンとヒートシンクを使用してCPUから直接熱を取り除くものである。

空冷CPUクーラーの仕様によっては、かなり効率的な冷却性能を発揮することができる。空冷CPUクーラーの市販品なら、付属品と比べて10〜15℃の温度低下が見込める。また、価格も比較的手頃で多くのユーザーに親しまれてきた。

しかし、いくつかのデメリットも存在する。ファンの品質が低い場合、PCの稼働時に異音が発生することがある。また、CPUから取り除かれた熱をさらに、ケースファンによって処理する必要がある。

より高度な冷却性能を求める場合には、水冷CPUクーラーが選択肢となってくる。水冷クーラーは、エアクーラーと比較して高度な冷却能力を発揮できるが、コストも高くなる傾向にある。

総合的に見ると、エアクーラーと水冷クーラーを使い分けることが適切な冷却設計につながる。

水冷式CPUクーラー

水冷式CPUクーラーは、CPU上部に取り付けられたヒートシンクとラジエーターを閉じたループで接続し、水をポンプで循環させるシステムである。

ラジエーター上のファンにより、CPUで加熱された水が冷却され、再び冷たい水としてヒートシンクに送り返される。このシステムはエアクーラーよりも効率的であると考えられているが、購入価格は高価である。

ラジエーターは通常、ケースの外部に取り付けられており、ファンが外部の空気を取り込む形となっているため、ラジエーター用の取り付け箇所に気を配る必要がある。

ケースファンを追加する

PCのケースに追加のファンを取り付けるかどうかは、システムの構成と用途によって判断することになる。ゲーミングやグラフィックスに関連する用途の場合、追加のファンを取り付けることが望ましい。

多くのケースには、初期設定で2つのファンしか装備されていないが、追加のファン取り付られるモデルもある。120mm、140mmなどファンのサイズを確認し、15dB未満の静音性の高いものを選択するべきだ。ゲーミングやグラフィックス向けの場合、ファンを追加すると、より効果的に冷却できる。

エアフロー

PCのケース内部におけるエアフローの確保は、システムの冷却を高める上で重要だ。単に冷たい空気をケース内部に取り込むだけでなく、暖かい空気を適切に排出する必要がある。

ケース内部にファンを設置する際は、単に冷却用の空気を送り込むだけでなく、排熱用の空気の流れも考慮しなければならない。冷たい空気を送り込むだけで、暖かい空気を排出できないような設計では、ケース内部の温度上昇を招き、システム全体の冷却性能が低下してしまう。

前方から後方に向けてのエアフローが一般的だが、エアフローの向きはケースデザイン、コンポーネントの配置、ケーブル管理など、様々な要素が影響を及ぼす。

健全なPCシステムを構築するには、良好なエアフローを確保することが不可欠なことを覚えておこう。

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