自作パソコンの最適なメモリを選択するために

自作パソコンのパフォーマンスを向上させる簡単な方法は、高速なRAM(ランダムアクセスメモリ)を選択することである。

最新のDDR4タイプは、過去最速・最高効率のPCメモリーとされるが、他のパーツ選びと同様に、RAM選定もそれほど単純な話ではない。

マザーボードによってサポートされる最大メモリ容量が異なるし、OS側の制限もある。また、速度や構成の違う数多くのバリエーションが存在するため、個々の用途に応じた適切な選択が求められる。

目次

選択肢を考える

RAM容量が不足している状態は、自作PCの真の処理能力を制限してしまう可能性がある。適切なRAMを選択する重要性は、CPUやグラフィックボードの選定に劣らず高い。

どれくらいのRAMが必要か?

まず最初に、マザーボードやOSがサポート可能な最大メモリ容量を確認する必要がある。一般的なマザーボードであれば、2スロット構成で16GB程度。メディア編集やゲーム利用向けは4スロットで32~64GB対応が典型的である。次にOS側の上限もチェックし、両者の範囲内でRAM容量を選択する。最小でも8GB以上、できれば16GB以上の高速SDRAMがおすすめだ。

DDR(Double Data Rate)

DDRメモリは15年以上にわたりPCの標準的なメモリ技術である。新しい世代のDDRは前世代の改良版であり、DDR4、現在はDDR5世代が最新。比較的近年のマザーボードであればDDR3,DDR4、DDR5の選択肢があるだろう。

低速のDDR4-2133MHzとDDR3-2000MHzでは実質的な速度差は少ないので、コストパフォーマンスを考え最速のDDR3を選ぶ意義もある。一方でDDR4の最大3400MHz動作を生かせるのであれば、本格的な高速化が望める。

RAMの速度

RAMを単に増設するだけでパソコンの速度が向上すると考えがちだが、そう単純な話ではない。メモリがボトルネックになっている場合はあるものの、容量アップのみでは十分な解決にはならない。

例えば、マザーボードがサポートしているのであれば、DDR4 3400MHzの8GB 1枚構成の方が、DDR3 1866MHzで12GBや16GBといったマルチチャネル構成より実効速度が高いだろう。

さらに高速なメモリを利用したい場合、マザーボードとBIOSが対応していれば、自動オーバークロック可能なSDRAMも選択肢になる。その際は放熱対策が施されたDRAMモジュールを選ぶ必要があることに注意。

ペアリング

デュアルチャネルメモリ構成は、使用可能なメモリ帯域幅をほぼ2倍に広げる技術である。互換性を高めるため通常2枚1組のメモリキットが販売されている。

もしペアの2枚で速度が異なる場合、低速SDRAMの速度に両方制限されるため注意が必要。4枚構成の場合も同一である必要はないが、チャネル毎にペアを揃えてスロットに挿入する。

対応するマザーボードであれば、デュアルチャネル対応スロットは色分けしてあるので、それに合わせる。

ウィンドウズのメモリ制限

64ビット版Windowsを新規にインストールする場合、OS側のメモリ容量制限を考慮する必要はほぼない。しかしながら、32ビット版Windowsでは容量制限がある点に注意が必要である。

32ビットWindowsの利用メモリ容量は最大4GBまでなので、この上限を超えるメモリを搭載しても意味がない。64ビット版を使用するか、あるいはLinuxなど他OSを選択することで、この制限を回避できる。

ウィンドウズのバージョン32ビットの制限64ビットの制限
Windows 10 (Pro)4GB2TB
Windows 10 (Home)4GB128GB
Windows 8(すべてのバージョン)4GB128GB
Windows 7 (Home)4GB8GB
Windows 7 (Home Premium)4GB16GB
Windows 7(その他のすべて)4GB192GB
Windows Vista1-4GB8-128GB

レイテンシ・タイミング

SDRAMの仕様を比較する際、CL14-16-16-31のような数値を目にすることがある。これはCASレイテンシまたはアクセス遅延時間を示しており、メモリコントローラから特定アドレスへのアクセス要求から、実際にデータが利用可能になるまでのクロックサイクル数である。

要するにメモリの応答速度を表しており、数値が小さいほど高速にアクセスできることを意味する。CASレイテンシ以外にも複数のタイミングパラメータが存在するため、これらの総合的なバランスがSDRAMの実効速度を左右する。

SDRAMのタイミング仕様は、CASレイテンシを含む数値の並びで表現される。例えば、CL4-4-4-8、CL5-5-5-15、CL7-7-7-21といった形である。

大まかな指標として、これらの数値が小さいほど高速なメモリであるが、実際には僅かな時間差である。メモリ選定時にこのタイミング値だけにとらわれすぎないことが大切である。

通常の自作PCであれば、DDR4-3200でCASレイテンシ 14以下のSDRAMであれば十分高速な部類に入る。あくまで参考情報の1つとして把握し、他の要素とトレードオフを比較判断する必要がある。

メモリモジュールの詳細

メモリモジュールとは、RAMチップを基盤上に搭載した基板自体を指す。主にSIMM、DIMM、SO-DIMMの形状がある。

全てデータの一時保存用途に使用されるもので、形状や仕様は異なるが目的自体は共通している。コンピューター運用中にCPUや各種コントローラがデータ確保・参照するための高速な一時記憶域を提供するものである。

  1. ヒートスプレッダー
    現在のメモリモジュールの多くには、熱を放散するヒートスプレッダーが搭載されている。形状やデザインは様々で、放熱フィンやスリットを備えたものが一般的。LEDを内包した製品も存在し、発光色でDRAMの動作状況を示すといった機能もある。高負荷時に効果的な放熱が期待できるものを選ぶことが望ましい。
  2. ソケットコンタクト
    これはメモリモジュールをマザーボード上のスロットに装着するための接点部である。取り付け時に直接手で触れることは避けるべきだが、汚れやホコリが付着している場合は静電気対策をしてから、指で軽く拭くことができる。きれいな接触が電気的接続の確保につながる。コンタクト部の清掃はメモリ不良対策として有効な場合がある。
  3. アライメントスロット
    メモリモジュールにある中心からずれた切欠きは、マザーボード上のスロットに装着する際の方向ガイドとして機能する。DIMMタイプのメモリは表裏あるため、この切り欠き部分とスロットの形状が合致しないと正しく挿入できない。誤挿入防止の意味でとても重要な構造である。切り欠きの僅かな位置ズレが、メモリを一方向にしか装着できないようになっている。
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